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やっと着いた部室の前。
教室から急いで来たが、随分と時間がかかったように思えた。
気持ちが先走っていたからだろう。
進みたいのに、進めない。
掻き毟るようなもどかしさは、理不尽なものへの怒りによく似ていた。
立海テニス部の夫婦喧嘩 4
「・・・いるのか?・・・・・入るぞ」
マネージャーの部室の前。
軽くノックをしてからドアノブを回す。
ガチッ ガチガチッ
「ぬ・・・・・・鍵がかかっている」
部室は鍵がかかっていた。人の気配もしない。
伊織は丁寧に、嘘かもしれない。と言った。
しかしそれを承知でここまで来たのは自分だ。伊織は悪くない。
もしかしたら、中にいて内側から鍵をかけたのかもしれないが、そこまで意地の悪いことはしないであろうと、すぐにドアノブから手を離した。
どこに行ったのだろうか。手がかりはまるでない。
しかし、こんなところで諦めている場合ではない。
場所がわからぬのならば、自分の足で探すまでだ。
駆け出そうとした瞬間、後ろから声をかけられた。
「予想より1分17秒程早かったな」
「っ!・・・蓮二」
振り向けば、立海の参謀が腕時計を確認しながら涼やかな顔で立っていた。
会計の仕事でもしていたんだろう。
テニス部の書類を持っている。
「いいところに・・・ここに透と伊織が来なかったか?」
「ああ来ていたぞ。もっとも、いたのはほんの少しで、10分と48秒程前にはどこかへ移動したがな」
幸村が電話をかけた時点で、場所を移動していたんだろう。
どっちにしろ、伊織は嘘は言っていなかったわけだ。
「ちなみに俺もどこへ行ったかは知らん」
「そうか・・・」
「だが、場所を特定してやることはできる」
そう言って、俺を見る蓮二。
俺の行動を全て予測している上で言っているのだろう。
話が早くて助かる。今は一分一秒が惜しい。
「頼む、教えてくれ蓮二」
「フ・・・。そんな顔するな。教えないわけにもいくまい」
「恩に着る・・・」
「かまわん。そこまで必死な弦一郎は初めて見たな」
「・・・あいつらは、今まで俺達に必死で尽くしてくれた。・・・俺はそれを仇で返すようなことをしたのだ。必死にもなる」
「そうだな・・・。確かに弦一郎がしたことは許されたことではないかもしれん。だがその今の気持ちが大事なはずだ。あいつらもきっと分かってくれる」
「蓮二・・・」
蓮二はそう言って、指折り場所を特定してくれた。
「弦一郎から逃げていることを考慮すると1号館および3号館の非常階段、屋上庭園、特別棟教室といったところか。今言った順に確率が高い」
「なるほど。わかった」
「本当ならもっとも高い確率なのは女子トイレなのだが、さすがに俺達はそこへは入れないからな」
「では非常階段から当たってみる。邪魔したな蓮二」
駆け出そうとした瞬間、蓮二に呼び止められた。
「ああ、待て弦一郎。お前が来たときのために。と、秋原と笹本から伝言を預かっている」
「伝言?」
「「理不尽に走り回る気持ちはどう?これで少しは透が受けた理不尽な気持ちがわかった?マネージャーであること以前に、幼馴染はもっと大切にしなさい」・・・だそうだ」
「・・・・・・」
「もっとも、秋原がやっていることは理不尽というよりは、嫌がらせに近いがな」
そう言って柳はフ・・・と笑いを浮かべる。
その顔につい苦笑いになる。俺は助けられてばかりだ。
「秋原には、嫌がらせをするだけの意地があるんだろうな」
「意地・・・?」
「親友としての意地だ。秋原は本当に笹本のためを思って行動している。笹本は弦一郎に甘いところがあるからな。お前が謝ればすぐにでも許すだろう。そんな笹本にも腹が立っているんだ。秋原は笹本を大事に思っているからな」
蓮二が続ける。
「そして逆も然り。笹本が怒っていたことは自分が理不尽なことを言われたからじゃない。弦一郎が自分の身体より義務を優先したことに腹が立ったんだろう」
「・・・・・・」
「それに、あいつらのマネージャーとしてのプライドだな」
「プライド・・・」
「ああ。彼女達は俺達のマネージャーであることに、誇りを持って仕事している。その仕事はすべてに置いて俺達部員のためだ。頼れることは、全部頼れ。そうしなければあいつらは無用の長物となる」
蓮二の言葉が耳に痛い。
俺はマネージャーというものの存在を、今まで理解していたと思っていた。
しかし、違った。
俺は、本当に取り返しのつかないことを言ってしまったのだ、と。
「思いやり方を穿き違えたな弦一郎。・・・償いは容易ではないぞ」
「・・・それでも、俺は謝らねばならん。例え2人が許さずともな」
「フ・・・お前らしいな。では最後に、笹本からの伝言だ」
「・・・あいつは、何と?」
柳は一寸、間をとって言葉を続ける。
「・・・・・・「待ってる」、と」
「・・・・・・」
「笹本らしいな」
その一言で、透が言いたいことは十分に伝わった。
何が何でも探さなければいけない。
時刻的に考えて、もうこのお昼休みの間では探しきれないだろう。
よしんば探せたとしても、ゆっくり謝ることはできない。
しかし探すことを諦めることはできないと思った。
いや、諦めたらいけないのだ。探さなければ、自分で自分を許せない。
「・・・世話をかけたな蓮二」
「礼には及ばん・・・ではな」
軽く頷き、蓮二を後にして走る。
まずは、1号館の非常階段だ。
この場所からそこまでの1番近い道を選択する。そこまでは1分とかからない。
普段は使わない非常階段。なるほど、俺はこのような場所には興味がない。
ゆえに俺を相手に逃走経路を図るには格好のルートであり、潜伏場所の1つであると言えよう。
「む?」
4階辺りの踊り場に人の影がチラリと見えた。
姿かたちは分からなかったが、もしかしたら透と伊織かもしれない。
下階から4階まで一気に上る。
「透、伊織?いるのか?」
「・・・今日は客人が多い日よの」
そこには、期待していた姿はなかったが、よく見知った人物が悠然とそこに座っていた。
銀の髪が風になびく。
「こんなところに真田が来るとは思わんかった」
「仁王か。・・・透と伊織を知らんか?」
「さあてのう。知っとると言えば知っとるし、知らんと言えば知らん」
スッと、仁王が横の扉を指す。
階段と内部を繋ぐ扉だ。
「そこの扉から出て行きおったよ。さっきまで一緒にいたんじゃがの。幸村から電話が来た後、2人ともすぐにいなくなってしもうた」
「また、逃げられたな・・・」
「なんじゃ。まるで鬼ごっこじゃの」
真田が鬼じゃたまらんがな。と軽口を叩かれた。
たしかに、これは鬼ごっこやかくれんぼのようだ。
(そういえば、あいつは逃げるのも隠れるのも下手だったな・・・)
そんなことを思い出した。
幼い頃にやったことを思い出した。
だから、伊織の方が逃げるのも隠れるのも上手いのだろう。
透だけであったなら、もっと早く捕まえていたはずである。
「くく・・・伊織は手ごわいじゃろ」
「ああ。全く・・・振り回されっぱなしだ。手に負えん」
「なーに。透もお前さんに振り回されっぱなしだったんじゃ。これくらい可愛いもんよ」
そう言って、仁王はくつくつと笑った。
「伊織は一筋縄じゃいかん女じゃき。まあそこが面白いんじゃがの」
見ていて飽きんよ。と心底楽しそうに笑いを浮かべる仁王。
しかしこっちは笑っていられるような状況ではない。
「まあ、そんな顔しなさんな。自業自得っちゅうもんじゃ」
「わかっている。今日だけで何回言われたと思っているんだ」
「くく・・・すまんすまん。・・・でも、の。実はお前さんにはちょっと感謝しとるんじゃよ」
感謝?
説教される筋合いはあるとは言え、今の俺には感謝される筋合いなどはない。
「どういう意味だ?」
「そんな顔せんと、まあ聞きんしゃい。俺も幸村に言われるまで、マネについて深く考えることなんてせんかったんじゃよ」
そのまま仁王は言葉を続ける。
「進んで雑用をやってくれとる奴等。くらいの認識だったんじゃ。・・・まあ、これは悪い言い方じゃがな。平たく言えば、ただのお人好しの物好きじゃと思っとった」
俺自体が面倒くさがりの生き物じゃき。と仁王は言った。
「だから、真田と透が喧嘩せんかったら、ずっとそう思っとるところだった。・・・ま、そういうことじゃ」
「お人好しなのは、合ってると思うがな」
「くく・・・お前さんも言うのう。・・・まあ、そうじゃな。それくらいじゃないと、俺たちを手助けするような気にはならんじゃろうしな」
透がお人好しなのは、俺が一番よく知っている。
自分のことを省みずに、他人を優先するタイプなのだ。
そんな透を、伊織は1番に優先する。・・・いいコンビだと思う。
「・・・だから俺たちは気兼ねなくプレイに集中できるというもの」
「おう。・・・いいマネージャーを2人も持っとる俺たちは、本当に幸せもんじゃな」
「全くだ」
俺は仁王の横にある扉のドアノブを回した。
この場所からは、3号館の非常階段がよく見えた。そこには2人の姿はない。
柳が特定してくれた箇所は、あと2つ。
「まだ探すのか真田。予鈴まであと10分もないぜよ?」
「ああ。知っている。それでも探さんことには俺は自分が許せん」
ガチャリとドアが閉まる間際に、「まあ、頑張りんしゃい」という仁王の声が聞こえた。
【続】
意外と長く続くなー・・・
何か自分でも、どうしたいのかよくわかんなくなってきたーwwww
だって、けっこう内容が難しいっていうか・・・あれだよね頭使う^^^^^
友情モノといえば友情モノなんだけど、どことなくシリアスだし・・・
つか真田目線だからかなー・・・文が固いよね(笑)
だんだん、伊織寄りの話になってきているような気がするwww
透中心の話の予定だったのにな。っていうか透視点がないから、あれなのか(笑)
透視点は最終章にすることにしようそうしようwwww
仁王書いてるの・・・楽しい^^
教室から急いで来たが、随分と時間がかかったように思えた。
気持ちが先走っていたからだろう。
進みたいのに、進めない。
掻き毟るようなもどかしさは、理不尽なものへの怒りによく似ていた。
立海テニス部の夫婦喧嘩 4
「・・・いるのか?・・・・・入るぞ」
マネージャーの部室の前。
軽くノックをしてからドアノブを回す。
ガチッ ガチガチッ
「ぬ・・・・・・鍵がかかっている」
部室は鍵がかかっていた。人の気配もしない。
伊織は丁寧に、嘘かもしれない。と言った。
しかしそれを承知でここまで来たのは自分だ。伊織は悪くない。
もしかしたら、中にいて内側から鍵をかけたのかもしれないが、そこまで意地の悪いことはしないであろうと、すぐにドアノブから手を離した。
どこに行ったのだろうか。手がかりはまるでない。
しかし、こんなところで諦めている場合ではない。
場所がわからぬのならば、自分の足で探すまでだ。
駆け出そうとした瞬間、後ろから声をかけられた。
「予想より1分17秒程早かったな」
「っ!・・・蓮二」
振り向けば、立海の参謀が腕時計を確認しながら涼やかな顔で立っていた。
会計の仕事でもしていたんだろう。
テニス部の書類を持っている。
「いいところに・・・ここに透と伊織が来なかったか?」
「ああ来ていたぞ。もっとも、いたのはほんの少しで、10分と48秒程前にはどこかへ移動したがな」
幸村が電話をかけた時点で、場所を移動していたんだろう。
どっちにしろ、伊織は嘘は言っていなかったわけだ。
「ちなみに俺もどこへ行ったかは知らん」
「そうか・・・」
「だが、場所を特定してやることはできる」
そう言って、俺を見る蓮二。
俺の行動を全て予測している上で言っているのだろう。
話が早くて助かる。今は一分一秒が惜しい。
「頼む、教えてくれ蓮二」
「フ・・・。そんな顔するな。教えないわけにもいくまい」
「恩に着る・・・」
「かまわん。そこまで必死な弦一郎は初めて見たな」
「・・・あいつらは、今まで俺達に必死で尽くしてくれた。・・・俺はそれを仇で返すようなことをしたのだ。必死にもなる」
「そうだな・・・。確かに弦一郎がしたことは許されたことではないかもしれん。だがその今の気持ちが大事なはずだ。あいつらもきっと分かってくれる」
「蓮二・・・」
蓮二はそう言って、指折り場所を特定してくれた。
「弦一郎から逃げていることを考慮すると1号館および3号館の非常階段、屋上庭園、特別棟教室といったところか。今言った順に確率が高い」
「なるほど。わかった」
「本当ならもっとも高い確率なのは女子トイレなのだが、さすがに俺達はそこへは入れないからな」
「では非常階段から当たってみる。邪魔したな蓮二」
駆け出そうとした瞬間、蓮二に呼び止められた。
「ああ、待て弦一郎。お前が来たときのために。と、秋原と笹本から伝言を預かっている」
「伝言?」
「「理不尽に走り回る気持ちはどう?これで少しは透が受けた理不尽な気持ちがわかった?マネージャーであること以前に、幼馴染はもっと大切にしなさい」・・・だそうだ」
「・・・・・・」
「もっとも、秋原がやっていることは理不尽というよりは、嫌がらせに近いがな」
そう言って柳はフ・・・と笑いを浮かべる。
その顔につい苦笑いになる。俺は助けられてばかりだ。
「秋原には、嫌がらせをするだけの意地があるんだろうな」
「意地・・・?」
「親友としての意地だ。秋原は本当に笹本のためを思って行動している。笹本は弦一郎に甘いところがあるからな。お前が謝ればすぐにでも許すだろう。そんな笹本にも腹が立っているんだ。秋原は笹本を大事に思っているからな」
蓮二が続ける。
「そして逆も然り。笹本が怒っていたことは自分が理不尽なことを言われたからじゃない。弦一郎が自分の身体より義務を優先したことに腹が立ったんだろう」
「・・・・・・」
「それに、あいつらのマネージャーとしてのプライドだな」
「プライド・・・」
「ああ。彼女達は俺達のマネージャーであることに、誇りを持って仕事している。その仕事はすべてに置いて俺達部員のためだ。頼れることは、全部頼れ。そうしなければあいつらは無用の長物となる」
蓮二の言葉が耳に痛い。
俺はマネージャーというものの存在を、今まで理解していたと思っていた。
しかし、違った。
俺は、本当に取り返しのつかないことを言ってしまったのだ、と。
「思いやり方を穿き違えたな弦一郎。・・・償いは容易ではないぞ」
「・・・それでも、俺は謝らねばならん。例え2人が許さずともな」
「フ・・・お前らしいな。では最後に、笹本からの伝言だ」
「・・・あいつは、何と?」
柳は一寸、間をとって言葉を続ける。
「・・・・・・「待ってる」、と」
「・・・・・・」
「笹本らしいな」
その一言で、透が言いたいことは十分に伝わった。
何が何でも探さなければいけない。
時刻的に考えて、もうこのお昼休みの間では探しきれないだろう。
よしんば探せたとしても、ゆっくり謝ることはできない。
しかし探すことを諦めることはできないと思った。
いや、諦めたらいけないのだ。探さなければ、自分で自分を許せない。
「・・・世話をかけたな蓮二」
「礼には及ばん・・・ではな」
軽く頷き、蓮二を後にして走る。
まずは、1号館の非常階段だ。
この場所からそこまでの1番近い道を選択する。そこまでは1分とかからない。
普段は使わない非常階段。なるほど、俺はこのような場所には興味がない。
ゆえに俺を相手に逃走経路を図るには格好のルートであり、潜伏場所の1つであると言えよう。
「む?」
4階辺りの踊り場に人の影がチラリと見えた。
姿かたちは分からなかったが、もしかしたら透と伊織かもしれない。
下階から4階まで一気に上る。
「透、伊織?いるのか?」
「・・・今日は客人が多い日よの」
そこには、期待していた姿はなかったが、よく見知った人物が悠然とそこに座っていた。
銀の髪が風になびく。
「こんなところに真田が来るとは思わんかった」
「仁王か。・・・透と伊織を知らんか?」
「さあてのう。知っとると言えば知っとるし、知らんと言えば知らん」
スッと、仁王が横の扉を指す。
階段と内部を繋ぐ扉だ。
「そこの扉から出て行きおったよ。さっきまで一緒にいたんじゃがの。幸村から電話が来た後、2人ともすぐにいなくなってしもうた」
「また、逃げられたな・・・」
「なんじゃ。まるで鬼ごっこじゃの」
真田が鬼じゃたまらんがな。と軽口を叩かれた。
たしかに、これは鬼ごっこやかくれんぼのようだ。
(そういえば、あいつは逃げるのも隠れるのも下手だったな・・・)
そんなことを思い出した。
幼い頃にやったことを思い出した。
だから、伊織の方が逃げるのも隠れるのも上手いのだろう。
透だけであったなら、もっと早く捕まえていたはずである。
「くく・・・伊織は手ごわいじゃろ」
「ああ。全く・・・振り回されっぱなしだ。手に負えん」
「なーに。透もお前さんに振り回されっぱなしだったんじゃ。これくらい可愛いもんよ」
そう言って、仁王はくつくつと笑った。
「伊織は一筋縄じゃいかん女じゃき。まあそこが面白いんじゃがの」
見ていて飽きんよ。と心底楽しそうに笑いを浮かべる仁王。
しかしこっちは笑っていられるような状況ではない。
「まあ、そんな顔しなさんな。自業自得っちゅうもんじゃ」
「わかっている。今日だけで何回言われたと思っているんだ」
「くく・・・すまんすまん。・・・でも、の。実はお前さんにはちょっと感謝しとるんじゃよ」
感謝?
説教される筋合いはあるとは言え、今の俺には感謝される筋合いなどはない。
「どういう意味だ?」
「そんな顔せんと、まあ聞きんしゃい。俺も幸村に言われるまで、マネについて深く考えることなんてせんかったんじゃよ」
そのまま仁王は言葉を続ける。
「進んで雑用をやってくれとる奴等。くらいの認識だったんじゃ。・・・まあ、これは悪い言い方じゃがな。平たく言えば、ただのお人好しの物好きじゃと思っとった」
俺自体が面倒くさがりの生き物じゃき。と仁王は言った。
「だから、真田と透が喧嘩せんかったら、ずっとそう思っとるところだった。・・・ま、そういうことじゃ」
「お人好しなのは、合ってると思うがな」
「くく・・・お前さんも言うのう。・・・まあ、そうじゃな。それくらいじゃないと、俺たちを手助けするような気にはならんじゃろうしな」
透がお人好しなのは、俺が一番よく知っている。
自分のことを省みずに、他人を優先するタイプなのだ。
そんな透を、伊織は1番に優先する。・・・いいコンビだと思う。
「・・・だから俺たちは気兼ねなくプレイに集中できるというもの」
「おう。・・・いいマネージャーを2人も持っとる俺たちは、本当に幸せもんじゃな」
「全くだ」
俺は仁王の横にある扉のドアノブを回した。
この場所からは、3号館の非常階段がよく見えた。そこには2人の姿はない。
柳が特定してくれた箇所は、あと2つ。
「まだ探すのか真田。予鈴まであと10分もないぜよ?」
「ああ。知っている。それでも探さんことには俺は自分が許せん」
ガチャリとドアが閉まる間際に、「まあ、頑張りんしゃい」という仁王の声が聞こえた。
【続】
意外と長く続くなー・・・
何か自分でも、どうしたいのかよくわかんなくなってきたーwwww
だって、けっこう内容が難しいっていうか・・・あれだよね頭使う^^^^^
友情モノといえば友情モノなんだけど、どことなくシリアスだし・・・
つか真田目線だからかなー・・・文が固いよね(笑)
だんだん、伊織寄りの話になってきているような気がするwww
透中心の話の予定だったのにな。っていうか透視点がないから、あれなのか(笑)
透視点は最終章にすることにしようそうしようwwww
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