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2009、02、02
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「白石~!!!」


遠くからうちのゴンタクレルーキーの声がした。
姿はよく見えないが、どうやら無事にこちらに着けたらしい。
ったく迷子になるなっちゅうねん。
姿が見えないので、「おーう」と返事だけすると、

「見てぇ~な~!ものごっつ綺麗なお姉ちゃん拾ってん!」

という声が聞こえた。

(はぁ!?意味わからん!?)


金太郎の声に全員が頭に?マークをつけたまま声のする方を向く。


「ちょっ!き、金太郎くんっ!」
「大丈夫やって~!!こいつらに聞いたらお姉ちゃんが行きたいとこすぐに分かるわ」


人ごみの中から金太郎が現れた。
そして左手にはしっかりと・・・
しっかりと、手を繋いで・・・・・・・・・・どちら様?


「あら~!めちゃくちゃ可愛い子やなの!金ちゃんどないしたのこの子」

小春のその声で、ハッと我に返り、金太郎が連れてきたお姉ちゃん。もとい女の子を見る。


(・・・・・・めっちゃ可愛え・・・)



その子は、俺と目が会うと恥ずかしそうにペコリとお辞儀をした。
つられて俺達も一様にお辞儀をする。
目を所在無さげに動かす。
緊張しているのか、金太郎に走らされたのか、かすかに染まった頬。
俺達を順々に見ながら目をパチパチさせている。
なんや、その様子がめっちゃいじらしくて、初々しくて、まあとにかく可愛い。
でもどこかで見たことあるような・・・。

・・・というのは今は置いといて。


「アホ~!!拾って来たとちゃうわっ!!元いた場所に戻してきなさい!」
「俺じゃわからんかったから連れて来たまでや!怒られる筋合いないわぁ!!なっ姉ちゃん!」
「この子に同意求めんなや!!」
「いや、あのっ・・・金太郎くんを叱らないであげてください!元はといえば私が悪いんです!」

その声に、その子の顔をまじまじと見つめる。
少し困ったような表情。身長差による下からのアングル。

(あかんよ君~・・・そんな顔されたら怒るに怒られへんやん~・・・)


「金太郎くんは・・・私が困ってるところを助けてくれて・・・」
「このお姉ちゃん、悪モンに絡まれててん」
「元々道に迷ってしまってて・・・。うちの団体メンバーの元まで戻りたかったんですが・・・」
「俺も姉ちゃんの学校ようわからんかったから、ウチんとこまで連れてきてん」

なるほど、この子はきっとテニス部のマネージャーなんだろう。
手には救急箱だけが握り締められている。


「はーん・・・・・・ところで、アンタ立海の笹本透さんやろ?」
「えっ!?なんで・・・?まあ・・そうです・・・けど」

そううちのデータマンがいうと周りが少しざわついた。
そうや・・・何か見たことあると思ったら。思い出したわ。


「君、立海のマネや!もう一人もえらい可愛いマネやったよな?たしか君のとこマネ2人やろ?」
「え?ああ・・・秋原のことですね。ええうちはマネージャー2人です」
「思い出したわ~!去年の全国大会決勝のときに立海のとこにいたの見たわ」
「そういえば・・・謙也先輩めっちゃ可愛い可愛い言っててウザかったっスよね」
「な、何言って!?煩いわ財前!!ちょ、黙れや!!」
「事実やないスか」
「なんでウチはこんな強面ばっかりで、立海にはこないな可愛らしいマネが2人おるんや!不公平やわ!」


たしかに。
去年試合前に見かけた時、ウチのメンバー内で可愛い可愛いと評判で、部内では「どっちの子がタイプや?」
で変な論議がかまされたことを思い出した。
・・・まあ、ちなみに俺は笹本さん・・・つまり今ここにおる子の方がタイプだったりするわけで。
はっきり言って目のやり場に困る。

(どこ見ても可愛いんやもん・・・)


++++++++++
多分17日とか、全国大会初戦の方の話だと思われ。
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