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「・・・許さない」
「透?」
「負けたら・・・許さない・・・。こんな不安な気持ちにさせて・・・それでっ、
それで負けたりなんかしたら・・・絶対に、絶対に・・・私、弦一郎のこと許さない・・・」
見ると、透は泣く事を耐えるように、手をギュッと握り締めていた。
それはもう、自分の体を無理やり押さえ込むようにして。
「・・・・・・透・・・」
「透先輩・・・・・・」
きっと、すぐにでも弦一郎の脚をアイシングしたいんだろう。
見ていられないんだと思う。体がカタカタ震えていた。
「透さん、きついなら・・・」
「そうだぜ透・・・無理に見ること・・・」
柳生とブン太が声をかける。でも透は首を振った。
「ううん・・・私はここにいる。この目で全部見るの・・・。マネージャーだもん。ここで見なかったら、絶対後悔する。目に、焼き付けておきたいの・・・。それで、この大会が終わったら・・・弦一郎に『馬鹿』って言ってやる・・・」
もう透の目は、溢れそうなくらいの涙が溜まっていた。
しれでも弦一郎を見据えている。
そうだね透・・・
透にこんな辛い思いをさせた弦一郎。私も終わったら馬鹿野郎って言ってやる。
勝っても負けても、『馬鹿』って言ってやる。
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