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竜崎班
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不二(裕太)
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木更津(亮)
神城
若人
ジュニア選抜の強化合宿アニメ\(^0^)/
俺頑張ったよ!!是非見てみてくれwww
(関東大会終わった後らしい)
http://www.youtube.com/watch?v=pSPiyV5hLCo&feature=related
1話(トモちゃんウザい)
http://www.youtube.com/watch?v=Pz17Gaxzzwc&feature=related
2話(柳&乾ペア超可愛いwwwそして恐い。なんだこいつら)
梶本さんが・・・白石に見える・・・
http://www.youtube.com/watch?v=WDpHI6LBjck&feature=related
3話(手当てされてる赤也の顔が超可愛い。そして思いのほか杏ちゃん小さい)
http://www.youtube.com/watch?v=N09mvmtKcB8&feature=related
4話(天根と忍足のコンビいい^^華村先生女王様っぽいwww)
http://www.youtube.com/watch?v=XBy9nyD9b-E&NR=1
5話(双子可愛いwww華村先生結構好きかも^^//)
赤也の葛藤が・・・ココロの闇が・・・wworz
杏ちゃん魔性の女・・・www
http://www.youtube.com/watch?v=QceqmsQJF8c&feature=related
6話(赤也ってつい悪いこと言っちゃうタイプ?そしsてテニスの試合で隕石が飛ぶ)
っていうか、赤也ってちょっと二重人格入ってる?
スイッチ入ると止まらなくなるタイプ・・・なのかな。
http://www.youtube.com/watch?v=KcJLQjCbVr8&feature=related
7話(千石さんは何だか生まれ変わったらしい)
http://www.youtube.com/watch?v=oY5S73HfnOM&NR=1
8話(菊丸の顔がやたらと可愛いと感じたです。)
http://www.youtube.com/watch?v=s-Fkdn66rVE&NR=1
9話(テニスの無理やり設定がwwwさすがすぎる)
http://www.youtube.com/watch?v=F1JjCFkjO3c&feature=related
10話(手塚格好うぃーww)
http://www.youtube.com/watch?v=1phBsT07tGE&NR=1
11話(この回・・・芸人大会に・・・スタッフ・・・酷いです)
急遽すぎるwww爆笑すぎて、見れない・・・wwww駄目・・・
http://www.youtube.com/watch?v=mQ2plrvb3oE&NR=1
12話(格好いいぜ。手塚愛されてるのね^^)
っていうか湘南のヤツおかしいwww若人くんすげえ
http://www.youtube.com/watch?v=o30mufWFjvU&NR=1
13話(樺地どうしたwwww)
弦一郎も跡部も格好いいのう・・・
http://www.youtube.com/watch?v=Z29nAldbfQ8&feature=related
14話(アニメオリジナルキャラ・・・本当誰・・・。)
性格悪そー・・・ っていうか荒井カワイソス
http://www.youtube.com/watch?v=Z94kRBgNnpw&NR=1
15話(いっぱいいっぱいの長太郎可愛いwww)
菊丸いい人すぎる^▽^しかし動きがキモい
http://www.youtube.com/watch?v=ocya47AwLlI&NR=1
16話(歌の後が可愛い)
http://www.youtube.com/watch?v=lCbsPR-UkDc&feature=related
17話
http://www.youtube.com/watch?v=DG8PBWEeBxs&feature=related
18話(室町くん・・・アニメだと可愛いな^^)
http://www.youtube.com/watch?v=ElUuqKjEyJw&feature=related
19話
http://www.youtube.com/watch?v=Osomfh1fis4&NR=1
20話(一応合宿はここで終了)
以下選抜大会編
遠くからうちのゴンタクレルーキーの声がした。
姿はよく見えないが、どうやら無事にこちらに着けたらしい。
ったく迷子になるなっちゅうねん。
姿が見えないので、「おーう」と返事だけすると、
「見てぇ~な~!ものごっつ綺麗なお姉ちゃん拾ってん!」
という声が聞こえた。
(はぁ!?意味わからん!?)
金太郎の声に全員が頭に?マークをつけたまま声のする方を向く。
「ちょっ!き、金太郎くんっ!」
「大丈夫やって~!!こいつらに聞いたらお姉ちゃんが行きたいとこすぐに分かるわ」
人ごみの中から金太郎が現れた。
そして左手にはしっかりと・・・
しっかりと、手を繋いで・・・・・・・・・・どちら様?
「あら~!めちゃくちゃ可愛い子やなの!金ちゃんどないしたのこの子」
小春のその声で、ハッと我に返り、金太郎が連れてきたお姉ちゃん。もとい女の子を見る。
(・・・・・・めっちゃ可愛え・・・)
その子は、俺と目が会うと恥ずかしそうにペコリとお辞儀をした。
つられて俺達も一様にお辞儀をする。
目を所在無さげに動かす。
緊張しているのか、金太郎に走らされたのか、かすかに染まった頬。
俺達を順々に見ながら目をパチパチさせている。
なんや、その様子がめっちゃいじらしくて、初々しくて、まあとにかく可愛い。
でもどこかで見たことあるような・・・。
・・・というのは今は置いといて。
「アホ~!!拾って来たとちゃうわっ!!元いた場所に戻してきなさい!」
「俺じゃわからんかったから連れて来たまでや!怒られる筋合いないわぁ!!なっ姉ちゃん!」
「この子に同意求めんなや!!」
「いや、あのっ・・・金太郎くんを叱らないであげてください!元はといえば私が悪いんです!」
その声に、その子の顔をまじまじと見つめる。
少し困ったような表情。身長差による下からのアングル。
(あかんよ君~・・・そんな顔されたら怒るに怒られへんやん~・・・)
「金太郎くんは・・・私が困ってるところを助けてくれて・・・」
「このお姉ちゃん、悪モンに絡まれててん」
「元々道に迷ってしまってて・・・。うちの団体メンバーの元まで戻りたかったんですが・・・」
「俺も姉ちゃんの学校ようわからんかったから、ウチんとこまで連れてきてん」
なるほど、この子はきっとテニス部のマネージャーなんだろう。
手には救急箱だけが握り締められている。
「はーん・・・・・・ところで、アンタ立海の笹本透さんやろ?」
「えっ!?なんで・・・?まあ・・そうです・・・けど」
そううちのデータマンがいうと周りが少しざわついた。
そうや・・・何か見たことあると思ったら。思い出したわ。
「君、立海のマネや!もう一人もえらい可愛いマネやったよな?たしか君のとこマネ2人やろ?」
「え?ああ・・・秋原のことですね。ええうちはマネージャー2人です」
「思い出したわ~!去年の全国大会決勝のときに立海のとこにいたの見たわ」
「そういえば・・・謙也先輩めっちゃ可愛い可愛い言っててウザかったっスよね」
「な、何言って!?煩いわ財前!!ちょ、黙れや!!」
「事実やないスか」
「なんでウチはこんな強面ばっかりで、立海にはこないな可愛らしいマネが2人おるんや!不公平やわ!」
たしかに。
去年試合前に見かけた時、ウチのメンバー内で可愛い可愛いと評判で、部内では「どっちの子がタイプや?」
で変な論議がかまされたことを思い出した。
・・・まあ、ちなみに俺は笹本さん・・・つまり今ここにおる子の方がタイプだったりするわけで。
はっきり言って目のやり場に困る。
(どこ見ても可愛いんやもん・・・)
++++++++++
多分17日とか、全国大会初戦の方の話だと思われ。
初めて会ったときから、あいつはいつも笑っている。
あいつは泣かない奴なんだって、何故か勝手にそう思いこんでいたんだ。
こぼれる夏休み
「っく・・・っ・・」
しゃくりあげるような声が聞こえた。
小学5年生の夏休み。
俺と透はやっぱり相変わらず毎日テニスと剣道ばかりしていた。
連日そのような日が続き、さすがに疲れの溜まった日曜日。
午前は剣道の稽古。午後は夏休みの宿題をする時間。というのがもう決まった日程になっていた。
お決まりのように、俺の家で透と一緒に宿題をする。
透は昔から成績優秀だ。
だからといって、俺より勉強している節もない。
でも不思議なことに俺より勉強ができるのだ。
それが少しだけ悔しかったりする。
俺に教えるときは先生みたいな丁寧な口ぶりで、それこそ担当の教員よりも分かりやすく教えてくれるときさえある。
ふあ・・・
(・・・眠いな)
道場で思い切り体を動かした後の勉強。
まだ十分な体力がないことも相まって、俺の眠気はそろそろピークに達していた。
「弦一郎・・・お昼寝しない?私も眠い・・・」
俺の欠伸につられたのか、透も鉛筆を持ったまま欠伸をした。
やはり、透も俺と同じように眠気が来ているんだろう。
後半の字がとりとめもないものになっていた。
「そうだな・・・。一眠りしてから続きをやることにするか・・・」
その言葉にコクンと頷いて、いそいそと押入れからタオルケットを取り出す透。
透は長年一緒にいるため、俺の家なのにも関わらず、大体は何処に何があるのかを把握している。
タオルケットを受け取って、座布団を枕にする。
隣には透。すでに瞼がとろんとしているのが確認できた。
「・・・おやすみ・・・弦一郎・・・」
「おやすみ・・・」
透の寝息も俺の寝息も、すぐに呻る扇風機の中に消えていった。
「っく・・・っ・・」
どのくらい寝ただろうか。
しゃくりあげるような声が聞こえた。
(誰かが・・・泣いている・・・)
意識が浮上していくにつれて、次第にはっきりと聞こえてくる。
目をうっすらと開けてみると、声は俺のすぐ隣から聞こえていることに気づいた。
誰が泣いているか、何て普通すぐに気づくはずなのに。
俺はしばらく透が泣いていることに気づかなかった。
タオルケットを頭にすっぽり被って、体をふるふると震わせながら、声を押し殺すように泣いている。
その姿に、溜まらず声をかけた。
「透・・・」
「っ!」
瞬間、ビクッと跳ねた透はゆっくりとこちらを向いた。
頬を濡らす幾重もの涙の痕。
あまりの見慣れない光景に、思わずまじまじと透の顔を見てしまう。
「っご、めん・・・起こしちゃった・・・?」
「いや・・・」
しゃくりあげながら、タオルケットで涙を拭う透。
それでもポロポロと涙がこぼれる。
「具合でも悪いのか?」
近寄って透の顔を覗き込む。
濡れた瞳には俺が映り込んでいた。
ふるふると首を横に振る透。こういうときはどうしていいかまったく分からない。
俺まで不安な気持ちになる。
「ごめん・・・弦一郎・・・、そんな顔しないでも大丈夫だから・・・」
「・・・・・・・・・」
俺の顔を見て、笑うような顔をつくる透。
何が大丈夫だ馬鹿者。
そんな顔で大丈夫と言われても、説得力なんてまったくないぞ。
しかし、かける言葉が見つからず「恐い夢でも見たのか?」なんて、陳腐な台詞を吐いてしまう。
自分が何だか滑稽だ。
その言葉に、またゆっくり首を横に振る。
また涙がこぼれた。
「いっそ・・・夢だったら・・・よかったのにね・・・」
「?」
「私・・・この世界にいていいのかな・・・」
「・・・・・・何を・・・言っているのだ?」
訳が、わからなかった。
透が泣いていることも、その言葉の意味も。
彼女は望まれてこの世界に生まれてきたはずなのだ。
「不安で・・・不安で堪らないの・・・弦一郎・・・」
タオルケットをぎゅっと握り締めて、透はまた静かに涙を流した。
「・・・少なくとも、俺はお前に会えて嬉しい、と思っているぞ・・・」
「・・・本当に?」
「俺が嘘を吐く男だと思っているのか?」
そう問えば、またふるふると首を横に降った。
「お前は、父や母に望まれて生まれてきたんだろう?それに俺も精市も、俺の家族だって、みんなお前のことが好きだ。お前は恵まれているし、幸せなはずだろう?」
何をそんなに不安がるんだ。
何でそんなに泣くんだ。
いつもは笑ってばかりなのに。
知らないだけで、お前はいつも一人で泣いていたのか?
「うん・・・幸せ・・・幸せなの。幸せすぎて・・・切ないの・・・。最後の挨拶もできなかった・・・。私・・・私達って・・・親不孝なのかな・・・?」
アメリカでの生活のことを言っているのだろうか。
それに「私達」とは一体誰のことを指しているのだろう。
言っていることがまったくわからず、俺は困惑するしかない。
「お前の言っていることは・・・俺にはよく理解できないが・・・。お前が幸せなら、親も幸せであるはずだ」
「っ・・・弦一郎・・・」
「他には何が不安なんだ。全部俺が聞いてやる。だから泣くな馬鹿者」
「・・・・・・」
言った後にハッと気づく。
(・・・・・・何で俺はこうなんだろう・・・)
慰めるつもりが逆に説教をしているような口ぶりの自分が情けない。
どうも俺はこういうのは似合わない。
透に涙も。
お前は笑っている顔が1番似合う。
無言で俺を見つめていた透がおずおずと言葉を紡ぐ。
消え入りそうな、小さな声。
その震える声に、胸が締め付けられる。
「・・・・・・消えてしまうのが恐い・・・。全部目の前から消えてしまうのが恐いの・・・。私達は、運が良かっただけ・・・でも、いつか独りになるんじゃないかって・・・」
そう言ってまた、透の顔が歪む。
泣くな。泣くな。泣くな。
そんな顔するな。
そんな顔は見たくない。
「・・・俺がいる」
「ぇ・・・?」
震える透の手を握る。
少しでも寂しくないように。
泣かないように。
「独りになるのが恐いなら、俺がずっと一緒にいてやる。だから独りで泣くな!」
本当にそう思った。
握った手を更にギュッと握る。
独りではないと、そう思えるように。
「何なら指きりしてもいい」
透の小指と自分の小指を絡ませる。
その行為に、また透の涙が一筋落ちた。
「・・・・・・・・ありがとう・・・弦一郎・・・」
指を絡めたまま、透は静かに静かに微笑んだ。
お前に泣き顔は似合わない。
ずっとずっと笑っていてくれ。
お前が泣きたいときには、寂しくないように側にいてやる。
だから独りで泣いてくれるな。
だから独りで抱え込むな。ずっと、側にいてやる。
ずっと、ずっと ずっと。
ずっと一緒にいてやるから。
だから、この右手の小指はお前だけに預けておく。
【終】
・・・・・・
甘~いいいいいい!!!!!!\(^0^)/
これで弦一郎さん、惚れてないなんて言ったら嘘ですね!!!(笑)
これ、ほとんどプロポーズやんなあ。ニヨニヨ
純粋な弦一郎の言葉はキュンキュンしますね。
でも弦一郎は自分が告白したとか、恥ずかしいこと言ったとかそういう認識はなくて、
もうちょっと大きくなってから、思い出して、独りで感傷に浸るといい(笑)
弦一郎可愛いよ弦一郎^^
柳と仁王が集めた話をまとめると、こうだ。
私達のファンクラブは、テニス部の親衛隊のような公になっているものではないが、数人の幹部がおり、ファン全体の統率をしていたという。
しかし、ここ最近になって派閥が生じ、それが分裂して個々に動き出したらしく、その分裂した派閥の1つが私達の情報、つまり写真を極秘裏に入手し売買しているらしいのだ。
「まあ、あえてそういうことをしている奴らを『過激派』と呼ぼうか」
わかりやすく紙に書きながら説明してくれた柳がそう言った。
(過激派か・・・何だか某テロ集団みたいだな・・・)
「過激派」なんていうと、なんだか自分達がとんでもない世界的事件に巻き込まれているような錯覚を覚えるが、これは学内における盗撮事件である。
といっても、私達にしてみればかなり大きな問題だけど。
「クラブは元々、『秋原派』と『笹本派』に分かれておっての、その2つの派閥の中の過激派のグループ同士がどうやら手を組んで写真を効率良く入手しとるようじゃ」
とんでもない行為をしてくれるものだ。本当に中学生か。
柳と仁王にもそれは言えることだが、他の人間にもそれが言えるとは思ってなかった。
手口や行動が立派に犯罪者のそれである。
この世界、侮れねえ・・・。
2人の事件簿 : 3
「・・・この最後に書いてある、(秘)って何だろうね?」
伊織がそう口を開く。
何故かこの最後だけ「要相談、個別連絡」なんて書いてある。
なんだか物々しい。
「さあのう・・・。よっぽどやばい写真なんかのう」
「その可能性は高いな」
「やめてくれえええええ!!!」
「考えたくないー・・・!!!」
伊織が手で両耳を押さえながら言う。
これ以上やばい写真なんてあってたまるか。
これ以上に一般に出回ってはいけない写真となると・・・
あとは・・・・・・
自然に頭が斜め下に傾く。
考えたくはないが、どうしてもセミヌード以上しか思いつかない・・・。
いわゆるR15ですね・・・わかります・・・。
「秋原、笹本。万が一に備えて着替えのときは十二分に注意しろ」
「あとはなるべく一人で行動しないことよ。一人で着替えとかは特にやめときんしゃい」
柳も仁王も私の意志を汲み取ったようにそう言った。
そうだよなあ・・・やっぱりそれしか思いつかないよねえ・・・。
「そんなことがあるとは考えたくはないだろうが、用心に越したことはないからな」
「・・・了解。まったく!私の透の着替えを覗き見しようなんて最低だな!許せん!」
「いやいやいや!!伊織もでしょ!!」
伊織は結構平気でヘソチラしたり、脱ぎ着したりするから気が置けない。
これは私が見張っていないと・・・
「そうだった・・・・・・・・って、あ」
急に伊織が神妙な声をあげた。
「・・・そういえば・・・前に朝連のとき・・・透何か言ってなかった?」
「朝連・・・?・・・・・・・・・・あ!!!」
「何か気になることでもあるのか?」
私は、大分前に妙な音を聞いたことを思い出した。
「今まで忘れてたんだけど、そういえば朝連のときに変な物音がした気がするんだよね・・・」
「・・・・・・詳しく聞かせてくれないか?」
「うん。3週間前・・・かな?朝の着替えのときに、カタンッって物音がしたの」
柳はメモをとっている。
「何故そのときに言わなかったんだ?」
「いや・・・そのときは気のせいだと思って・・・」
「朝連で時間なかったしね」
もしかしたら世に言う「覗き」ってやつだったかもしれない。
それを想像したら急に鳥肌が立ってきた。
マネージャーの部室は、男子テニス部の部室の近くにあるものの、元々は倉庫に近い形で使っていた。
だから若干隅にあるし、部分的に死角がある。
しかし、朝で早いとはいえ、いつ誰に見られるかわからない状態だ。
だからそんな時に覗きというのは相当の勇者である。
「大体、私の下着姿なんてそんなに見応えないと思うんだけど・・・」
自分と伊織の体を見比べてみる。
伊織の方が出てるとこは出てるし、引っ込んでるところは引っ込んでるし、要するにナイスバディだ。
私が覗きの犯人だったら是非とも伊織の姿は拝見したいところだ。
「えー?透だって結構見応えあると思うよ。お尻から脚にかけてのラインとか?」
「どこ見てんだ!・・・いや、そんなこと言ったら伊織だって最近また胸の発育が著しいみたいですけど?」
「いや、透も最近・・・「とにかく2人とも気をつけてくれ」
論点がずれたので、心なしか呆れたような気恥ずかしいような顔をした柳が話を遮った。
「何か変わったことがあったら何でもいいから誰かに言いんしゃい」
「「・・・はーい」」
キーンコーン カーンコーン・・・
「あ、予鈴」
「もうそんな時間か」
随分話し込んでいたらしい。
チラホラ見えた他の生徒の姿も、もはや見えない。
「では、今日の部活後にでも更衣室を見に行こう」
柳がそう言った。
「え?でも音がしたのは随分前だし・・・本当に気のせいかもしれないよ?」
「念のためじゃ。何かまだ証拠があるやもしれん」
「用心に越したことない。と言っただろう?」
「・・・そう、だね。うん」
「じゃあ、部活後に」
先程の特別教室の件を思い出す。
もしかしたら同じように手がかりを残しているかもしれない。
私は期待と、また変なものが見つかるんじゃないかという不安感で午後の授業がまったく手につかなかった。
【続】
フィルムが盗られた。
ということは焼き増し可能ってことじゃないか!!!!
そんな写真が自分達の知らないところで出回ってることを考えると寒気が走った。
2人の事件簿 : 2
例の盗撮事件(これは事件と言わざるを得ない)から、数週間。
いろいろと気になった私達は、柳や仁王に少しだけ情報収集して貰うことにした。
なんだかいろいろなコネや収集ルートがあるらしい。
「・・・あの2人は絶対敵に回したくないタイプだよね・・・」
「うん・・・」
よく晴れたお昼休み。
今日は屋上でお弁当だ。
情報の恐ろしさを2人で噛み締めながら、それをオカズにお昼を食べる。
お弁当はもちろん美味しいけど、気分がそれほど晴れやかじゃないので美味しさも半減しそうだ。
「おう、やっぱりここにいたんか」
「今日のような快晴に、屋上で昼食をとる確率は82%だった」
「さすが参謀じゃのう」
噂をすれば、仁王と柳が屋上にやってきた。
「さすが参謀じゃのう」で仁王は片付けているが、はっきりいって柳のそのデータも盗撮と同じくらい怖いんですが。
情報の怖さについて伊織と一頻り語った後だったから、柳にも疑いの眼差しを向けたくなる。
(信じてる・・・うん・・・私は柳を信じてるからね・・・・・・)
私は心の中で自分に言い聞かせた。
「何かわかったの?」
伊織がお弁当をたたみながら、2人に聞く。
「まだ、これという個人の情報はないが・・・」
「収穫はあったぜよ」
そう言いながら仁王は胸ポケットから白いメモ書きのようなものを取り出した。
受け取って伊織と眺める。
( 秋原 )
・05 ×1
・08 ×2
・19 ×2
・26 ×3(焼き増し)
・笑顔02 ×2
・3セット ×1
・カメラ ×4
( 笹本 )
・06 ×2
・17 ×1
・23 ×3
・笑顔04 ×4
・笑顔05 ×1
・3セット ×2
・カメラ ×2
( 秘 )
要相談、個別連絡
とその紙には書いてあった。
「っ・・・えーと・・・何ですかこれ」
粗方検討はついたが、如何せん考えたくない。
(こ、これは・・・・まさか・・・・・)
「十中八九、お前さんらの写真のメモじゃろうな」
「やっぱりですカ・・・」
ズーンと頭が重くなる。
写真が売買されていることに半信半疑であったため、実際に現物証拠を持ってこられるとさすがに精神的に応える。
「どこで見つけたの?」
伊織が不快そうな顔をして聞いた。
「普段使われていない特別棟の空き教室ぜよ」
「え!?そんなとこまで探しにいったの?」
特別棟は、本当に一部の授業でしか使われない棟だ。
すでに処分する物品の詰まった倉庫やら、古そうな資料が詰まった資料室など、およそ日常では使わないような部屋ばかりがある。
当然人の気配もほとんど無い。
「いろいろ聞き込みをしたら、先々週の放課後に男子生徒数人が特別棟に向かうのを目撃したという情報を聞いてな」
「もしかしたら・・・と思って柳と見に行ったんじゃ。そしたら案の定ぜよ」
「そのメモはゴミ箱に捨てられていた。わざわざ空き教室までゴミの回収に来る者はいなかったようだ」
「よくそこまで調べたね・・・」
「凄い・・・」
その行動力、観察力、推理力。
まるで探偵のような2人に私も伊織も呆気に取られた。
「まあな」
「しっかし、結構骨が折れるぜよ」
「相手は俺達がテニス部だと知っているからな」
「相手に調べてることを知られないように調査するのは随分やり難いんじゃよ」
そんな探偵2人。
でもこれだけの証拠を探してくる柳と仁王は本当に凄いと思う。
いっそ2人で探偵事務所でも開いたらどうだろう。
「・・・これ、まだ誰にも見せてない?」
「ああ、先程見つけたものだからな」
「そか。・・・えーと、みんなには黙っててね?特に弦一郎には・・・」
伊織が「あ~・・・」って納得するような声を出した。
柳も仁王も頷く。
「わかっている。これを見たら弦一郎が不機嫌になることは容易に想像がつくからな」
「平部員が可哀想じゃしの」
そうなのだ。弦一郎は不機嫌になると、結構部員に理不尽なトレーニングをやらせたりする。
私達のことで、そんなことをされちゃ部員が本当に可哀想だ。
ジャッカルにも矛先を向けかねない。
ジャッカルが理不尽なことをされたら、それこそ申し訳ない。(私も伊織もジャッカル擁護派ですから)
「うん、ありがとう。・・・ところで、この紙に書いてある数字の意味って・・・」
「まさか通し番号とか・・・言わないよね・・・?」
写真の番号だとすると、ここに書いてある1番大きい数字は伊織の「26」。
それを考えたら26枚以上の写真があることになる。
同じことを考えたのか、伊織も微妙な笑顔でハハ・・・と笑っている。
「多分写真の番号だろう」
柳がバサッと切り捨てる。
肯定して欲しくなかった・・・・・・。
追い討ちをかけるように仁王も続く。
「この(笑顔)っちゅうんが、多分たまたま撮れた笑っとる写真なんじゃろうな」
「うう・・・考えたくない・・・」
「この3セットって何だろう?」
「さあのう。3枚セットの略なんじゃなか?」
「・・・じゃあこの『カメラ』っていうのは?」
「推測の域を出ないが、カメラ目線の写真ではないかと、俺は思う」
「「!!」」
伊織と顔を見合わせる。
カメラ目線と言えば、先日話していた写真部での盗難の話が記憶に新しい。
「もしかして・・・写真部に盗みに入ったのも・・・」
「このメモを残した奴ら・・・?」
「ああ、俺達はそう見ている」
「ピヨッ」
【続】