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「私は心配してるの!!」
「お前のそれは押し付けではないのか!?」
「!!」
何あいつ!!透を!マネージャーを!何だと思ってるのさ!!!
立海テニス部の夫婦喧嘩 2
バン!
「何なの!あいつ何なの!!人の気持ちを無下にして!!」
ロッカーを乱暴に開けて、ジャージを脱ぐ。
隣では透が無言で着替えを始めた。
いらいらしてしょうがない。
さっきは黙ってたけど、もう我慢できない。
「透はもっと怒っていいと思うよ!!」
「でも・・・私も大人げなかったっていうのもあるし・・・」
「何言ってんの!絶対あれはあの仏頂面の方が悪い!透は何も悪くない!!」
本当にそう思う。
弦一郎のことを思っての行動なのに、弦一郎は本当に透を何だと思ってるのか。
それにマネージャーに対してもだ。
『甘えと、頼るって違うと思う。マネージャーっていうのは選手の負担を少しでも軽くするためにいるようなものでしょ?』
『その本人が、無用と言っているんだ。それならば無理に手伝う必要などない』
こんなことを言われたら、マネージャーとしての存在意義がなくなってしまう。
いくら機嫌が悪かったといっても、言っていいことと悪いことがあるってもんだ。
あれだけ言われて透は腹が立たないのか。
私が代わりに殴ってくればよかった。ああもう!!
すべてのことに無性に腹が立った。
「うーん・・・でも、ちょっとショックだったかなあ・・・」
「透が落ち込むことないよ!!あれは弦一郎が悪いの!!気遣い無用!!本当、親の心子知らずってこのことだよまったく!!」
「親じゃねえよ・・・」
透の元気ないながらも的確なツッコミは無視する方向で話は進む。
「でも、まあそんな感じなのかなあ・・・」
「そうだよ・・・!何で透の思いやりがわかんないかな!!まったく本当腹立つ!私が透だったら逆にビンタしてたよ!」
「弦一郎にビンタかあ・・・ちょっとしてみたい気もするよね」
「透は弦一郎に甘すぎるよ!!2、3発・・・いや10発は殴っていい」
「・・・それは殴りすぎじゃない?」
「足りないくらいです!!」
透は昔からそうだ。
透は弦一郎に甘い。甘いっていうか優しすぎるのだ。
なまじ弦一郎自身が厳しい人間なものだから、見過ごされがちだが、あいつはどちらかといえば俺様気質の勘違い野郎だと思う。
自分が1番正しいと思っている節がある気がする。まあ、基本あいつは正しいんだけど・・・。
頑固だし、堅いし、一度自分で決めたことは曲げない。
侍と言おうか。正しく、「武士」なのだ。ついていけないくらいに。
とにかくいろんな意味で面倒くさいヤツなのだ。
いったいどう育ったらこんなマッチョな思考に育つのか。
そんな面倒くさい人間と一緒に過ごしてきた透が、何だか凄いと思うと同時に不憫に思えてきた。
・・・可哀想な透・・・。
「透はさ・・・弦一郎に不満とかないわけ?」
「不満ね・・・」
「私はさ、結構不満ある。まあいいヤツだけどさ・・・実際理不尽だし。透にあんなこと言うし」
「まあ・・・理不尽なことは理不尽・・・だね」
「でしょ!?それに、マネージャーをなんだと思ってるの!?マネージャーをボランティアとでも思ってない!?」
自分で言ってたらまた腹が立ってきた。
本当にあいつは・・・ったくもう!!!
声をかけていたのが私だったら、弦一郎は同じように突っぱねただろうか。
いや、弦一郎は透だからああいう態度をとったに違いない。
弦一郎は、少なからず透に甘えがあると思う。
こんなに良い子で可愛い私の透になんてこと言うんだ!!ああもう本当に透は可愛いな!!
健気な透が愛しすぎる。
私の質問に上を向いて思案していた透がポツリと言う。
「さっきの質問だけど・・・。不満っていうか・・・何かもう、しょうがないかな・・・みたいな」
「は?」
「だって弦一郎だし。しょうがないじゃない・・・」
・・・・・・・・・・
その一言に、透の弦一郎への思いがすべて集約されている気がした。
『だって弦一郎だし』
その言葉が頭の中でこだまする。
(・・・・・・深い・・・深すぎるよ透・・・)
何、このすべてを許します。みたいな聖母のようなオーラは。
甘すぎやしませんか。もっとガツンと!たまにはガツンと言ってやれ!!
弦一郎だから。っていう理由で済ませていい問題じゃないぞ!!
透は長年の付き合いで悟っているのだ。弦一郎がそういう人間なのだと。
親かお前は!!!(たしかに実年齢は遥かに年上だが)
こういう個性の子なんです。とか言い出しそうな雰囲気だ。
透の声には一種の諦めが入っていた。
まるで反抗期の子供を持つ親のような口ぶりだった。
「それに弦一郎も、あれで結構ナイーブだから、今頃それなりにいろいろ考えてくれてると思うよ」
「ナイーブ!?」
「その言い方弦一郎に失礼ですよ伊織さん・・・」
失礼で結構!!!
あんなヤツ失礼で十分だ!
っていうかナイーブって顔か!!
何だか納得がいかない。
悪いのは弦一郎で、酷いことされてるのは透なのに。
私だって、少なからず傷ついた。
私達は、何のために働いているのか。私達の選手への思いは伝わっていないのだろうか。
透の海のような心に、ただ溜め息が出る。
人間が出来てるなあ透は・・・。人がいいていうか・・・。
そのうちストレスで胃に穴が開いて変死しちゃうんだから!!!
私、弦一郎だけには絶対、絶対、絶対透を嫁にはやらせないから。
こんないい子を弦一郎みたいな不届き者にやってたまるか!!!
「でも・・・今日は何か久しぶりに怒って、ちょっとスッキリしたかも」
「・・・あれでスッキリしたんだ」
「うん」
「久しぶりって・・・どれくらい?」
「・・・・・・わかんない・・・5年以上?」
・・・5年以上溜まったストレスとかが、あの何分かに凝縮されてたんですか透さん・・・!
溜めすぎ!!!
「透!そんなんじゃ本当に体壊すよ!!適度に発散して!!」
「これはもう慣れだよ」
「慣れとかいらないから!!」
私は今度透と一緒にカラオケにでも行こう。とそう心に思った。
「透は・・・弦一郎のこと本当によくわかってるんだね・・・感服いたしましたよ・・・」
「まあ、伊達に10年も一緒にいないよ確かに許せない気持ちもあるけど、弦一郎が反省してるんだったら、今までどおり接しようと思うよ」
「でも私は許してない。弦一郎が謝るまで許さないからね!」
むしろ弦一郎を透に近寄らせたくない。
透が弦一郎を許しても、私は許してない。
透への態度を改めさせなければ。
それに、マネージャーの認識だ。弦一郎は何か勘違いしてるのではないか。
あの朴念仁には多少きつめのお灸が必要だと思う。
「もう・・・伊織が怒ることないのに」
「これが怒らずにいられるか!」
「まあ、たしかに弦一郎はちょっと言いすぎかもね」
「透は優しすぎるよ!」
「ありがとう・・・伊織。私の代わりに怒ってくれて」
「どういたしまして!」
「何でかな・・・悔しいはずなのに、怒れないな・・・。なんか悲しくなってきた・・・」
「透っ!!」
2人でギューッと抱き合った。
これは絶対弦一郎にはガツンと一発強烈な何かをかまさないといけない。
着替え終わって扉を開ければ、弦一郎を囲んでレギュラーメンバーが何か話をしているのが見えた。
きっとさっきのことについての話し合いだろう。弦一郎が理不尽なのは今に始まったことじゃない。
言って聞かせるいい機会だ。何を言ってるかは分かんないけど、もっと言ってやって皆!!!
(たっぷり反省しろ弦一郎め!!!)
ただでは謝らせないんだから・・・。
【続】
この一件があった後、弦一郎は透と伊織に頭があがらなくなります。
伊織にもね(笑)
透には2倍くらい甘くなりますwww
「お前のそれは押し付けではないのか!?」
「!!」
何あいつ!!透を!マネージャーを!何だと思ってるのさ!!!
立海テニス部の夫婦喧嘩 2
バン!
「何なの!あいつ何なの!!人の気持ちを無下にして!!」
ロッカーを乱暴に開けて、ジャージを脱ぐ。
隣では透が無言で着替えを始めた。
いらいらしてしょうがない。
さっきは黙ってたけど、もう我慢できない。
「透はもっと怒っていいと思うよ!!」
「でも・・・私も大人げなかったっていうのもあるし・・・」
「何言ってんの!絶対あれはあの仏頂面の方が悪い!透は何も悪くない!!」
本当にそう思う。
弦一郎のことを思っての行動なのに、弦一郎は本当に透を何だと思ってるのか。
それにマネージャーに対してもだ。
『甘えと、頼るって違うと思う。マネージャーっていうのは選手の負担を少しでも軽くするためにいるようなものでしょ?』
『その本人が、無用と言っているんだ。それならば無理に手伝う必要などない』
こんなことを言われたら、マネージャーとしての存在意義がなくなってしまう。
いくら機嫌が悪かったといっても、言っていいことと悪いことがあるってもんだ。
あれだけ言われて透は腹が立たないのか。
私が代わりに殴ってくればよかった。ああもう!!
すべてのことに無性に腹が立った。
「うーん・・・でも、ちょっとショックだったかなあ・・・」
「透が落ち込むことないよ!!あれは弦一郎が悪いの!!気遣い無用!!本当、親の心子知らずってこのことだよまったく!!」
「親じゃねえよ・・・」
透の元気ないながらも的確なツッコミは無視する方向で話は進む。
「でも、まあそんな感じなのかなあ・・・」
「そうだよ・・・!何で透の思いやりがわかんないかな!!まったく本当腹立つ!私が透だったら逆にビンタしてたよ!」
「弦一郎にビンタかあ・・・ちょっとしてみたい気もするよね」
「透は弦一郎に甘すぎるよ!!2、3発・・・いや10発は殴っていい」
「・・・それは殴りすぎじゃない?」
「足りないくらいです!!」
透は昔からそうだ。
透は弦一郎に甘い。甘いっていうか優しすぎるのだ。
なまじ弦一郎自身が厳しい人間なものだから、見過ごされがちだが、あいつはどちらかといえば俺様気質の勘違い野郎だと思う。
自分が1番正しいと思っている節がある気がする。まあ、基本あいつは正しいんだけど・・・。
頑固だし、堅いし、一度自分で決めたことは曲げない。
侍と言おうか。正しく、「武士」なのだ。ついていけないくらいに。
とにかくいろんな意味で面倒くさいヤツなのだ。
いったいどう育ったらこんなマッチョな思考に育つのか。
そんな面倒くさい人間と一緒に過ごしてきた透が、何だか凄いと思うと同時に不憫に思えてきた。
・・・可哀想な透・・・。
「透はさ・・・弦一郎に不満とかないわけ?」
「不満ね・・・」
「私はさ、結構不満ある。まあいいヤツだけどさ・・・実際理不尽だし。透にあんなこと言うし」
「まあ・・・理不尽なことは理不尽・・・だね」
「でしょ!?それに、マネージャーをなんだと思ってるの!?マネージャーをボランティアとでも思ってない!?」
自分で言ってたらまた腹が立ってきた。
本当にあいつは・・・ったくもう!!!
声をかけていたのが私だったら、弦一郎は同じように突っぱねただろうか。
いや、弦一郎は透だからああいう態度をとったに違いない。
弦一郎は、少なからず透に甘えがあると思う。
こんなに良い子で可愛い私の透になんてこと言うんだ!!ああもう本当に透は可愛いな!!
健気な透が愛しすぎる。
私の質問に上を向いて思案していた透がポツリと言う。
「さっきの質問だけど・・・。不満っていうか・・・何かもう、しょうがないかな・・・みたいな」
「は?」
「だって弦一郎だし。しょうがないじゃない・・・」
・・・・・・・・・・
その一言に、透の弦一郎への思いがすべて集約されている気がした。
『だって弦一郎だし』
その言葉が頭の中でこだまする。
(・・・・・・深い・・・深すぎるよ透・・・)
何、このすべてを許します。みたいな聖母のようなオーラは。
甘すぎやしませんか。もっとガツンと!たまにはガツンと言ってやれ!!
弦一郎だから。っていう理由で済ませていい問題じゃないぞ!!
透は長年の付き合いで悟っているのだ。弦一郎がそういう人間なのだと。
親かお前は!!!(たしかに実年齢は遥かに年上だが)
こういう個性の子なんです。とか言い出しそうな雰囲気だ。
透の声には一種の諦めが入っていた。
まるで反抗期の子供を持つ親のような口ぶりだった。
「それに弦一郎も、あれで結構ナイーブだから、今頃それなりにいろいろ考えてくれてると思うよ」
「ナイーブ!?」
「その言い方弦一郎に失礼ですよ伊織さん・・・」
失礼で結構!!!
あんなヤツ失礼で十分だ!
っていうかナイーブって顔か!!
何だか納得がいかない。
悪いのは弦一郎で、酷いことされてるのは透なのに。
私だって、少なからず傷ついた。
私達は、何のために働いているのか。私達の選手への思いは伝わっていないのだろうか。
透の海のような心に、ただ溜め息が出る。
人間が出来てるなあ透は・・・。人がいいていうか・・・。
そのうちストレスで胃に穴が開いて変死しちゃうんだから!!!
私、弦一郎だけには絶対、絶対、絶対透を嫁にはやらせないから。
こんないい子を弦一郎みたいな不届き者にやってたまるか!!!
「でも・・・今日は何か久しぶりに怒って、ちょっとスッキリしたかも」
「・・・あれでスッキリしたんだ」
「うん」
「久しぶりって・・・どれくらい?」
「・・・・・・わかんない・・・5年以上?」
・・・5年以上溜まったストレスとかが、あの何分かに凝縮されてたんですか透さん・・・!
溜めすぎ!!!
「透!そんなんじゃ本当に体壊すよ!!適度に発散して!!」
「これはもう慣れだよ」
「慣れとかいらないから!!」
私は今度透と一緒にカラオケにでも行こう。とそう心に思った。
「透は・・・弦一郎のこと本当によくわかってるんだね・・・感服いたしましたよ・・・」
「まあ、伊達に10年も一緒にいないよ確かに許せない気持ちもあるけど、弦一郎が反省してるんだったら、今までどおり接しようと思うよ」
「でも私は許してない。弦一郎が謝るまで許さないからね!」
むしろ弦一郎を透に近寄らせたくない。
透が弦一郎を許しても、私は許してない。
透への態度を改めさせなければ。
それに、マネージャーの認識だ。弦一郎は何か勘違いしてるのではないか。
あの朴念仁には多少きつめのお灸が必要だと思う。
「もう・・・伊織が怒ることないのに」
「これが怒らずにいられるか!」
「まあ、たしかに弦一郎はちょっと言いすぎかもね」
「透は優しすぎるよ!」
「ありがとう・・・伊織。私の代わりに怒ってくれて」
「どういたしまして!」
「何でかな・・・悔しいはずなのに、怒れないな・・・。なんか悲しくなってきた・・・」
「透っ!!」
2人でギューッと抱き合った。
これは絶対弦一郎にはガツンと一発強烈な何かをかまさないといけない。
着替え終わって扉を開ければ、弦一郎を囲んでレギュラーメンバーが何か話をしているのが見えた。
きっとさっきのことについての話し合いだろう。弦一郎が理不尽なのは今に始まったことじゃない。
言って聞かせるいい機会だ。何を言ってるかは分かんないけど、もっと言ってやって皆!!!
(たっぷり反省しろ弦一郎め!!!)
ただでは謝らせないんだから・・・。
【続】
この一件があった後、弦一郎は透と伊織に頭があがらなくなります。
伊織にもね(笑)
透には2倍くらい甘くなりますwww
PR
「・・・許さない」
「透?」
「負けたら・・・許さない・・・。こんな不安な気持ちにさせて・・・それでっ、
それで負けたりなんかしたら・・・絶対に、絶対に・・・私、弦一郎のこと許さない・・・」
見ると、透は泣く事を耐えるように、手をギュッと握り締めていた。
それはもう、自分の体を無理やり押さえ込むようにして。
「・・・・・・透・・・」
「透先輩・・・・・・」
きっと、すぐにでも弦一郎の脚をアイシングしたいんだろう。
見ていられないんだと思う。体がカタカタ震えていた。
「透さん、きついなら・・・」
「そうだぜ透・・・無理に見ること・・・」
柳生とブン太が声をかける。でも透は首を振った。
「ううん・・・私はここにいる。この目で全部見るの・・・。マネージャーだもん。ここで見なかったら、絶対後悔する。目に、焼き付けておきたいの・・・。それで、この大会が終わったら・・・弦一郎に『馬鹿』って言ってやる・・・」
もう透の目は、溢れそうなくらいの涙が溜まっていた。
しれでも弦一郎を見据えている。
そうだね透・・・
透にこんな辛い思いをさせた弦一郎。私も終わったら馬鹿野郎って言ってやる。
勝っても負けても、『馬鹿』って言ってやる。
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